アクセシビリティ対応は「連続性」が大切[三菱電機株式会社様]

2006年7月29日

三菱電機株式会社は、総合電機メーカー大手としての企業価値を向上させるために、UCD(ユーザー中心設計)/ HCD(人間中心設計)開発プロセスをウェブサイトの構築に積極的に取り入れています。今回は、宣伝部 デジタルメディアグループ グループマネージャーの大矢富保さんに、サイトのユーザビリティを確保するための HCD 開発プロセスと、アクセシビリティ向上のためのソリューションとして SimpleWeb(シンプルウェブ)を選択するに至った経緯についてうかがっていきます。

HCD プロセスを取り入れたサイト構築

ソシオメディア:
まず、コーポレートサイトの制作体制についてご紹介いただけますか。

大矢さん:
私がマネージメントしている宣伝部 デジタルメディアグループでは、ウェブサイトを「企業のブランドイメージ向上」・「ビジネス拡大」支援のための強力な媒体ととらえ、継続的にコーポレートサイトの改善に取り組んでおり、開発・運営・保守をデザイン、マーケティング、システムなどの多才なメンバーで行っています。

ソシオメディア:
サイト構築には HCD 開発プロセスを適用していらっしゃるとのことですが。

大矢さん:
はい。私のこれまでのプロダクトのデザイン・マーケティング・ヒューマンインタフェースデザイン・ユーザビリティ評価活動の経験をもとに、ユーザビリティの確保を第一に考え、迅速かつ正確、安全な情報提供を目指して、オフィシャルサイトの構築に HCD 開発プロセスを取り入れています。
具体的な開発プロセスについては、まずサイトを構築する前段階として「組織としての要求事項」「ユーザーニーズ」の双方を明らかにしながら、時間をかけてバランスのよいゴールを設定します。このとき、「会社」と「顧客」の二者が「WIN-WIN の関係」になるようにすることが大切です。
コンセプトが固まったら、ユーザビリティ評価やアンケートなど、各種の調査・評価によって現状を把握し、サイト構築作業に随時フィードバックしていきます。リニューアルサイトの公開後にも再度評価を行い、目標達成度を定量評価します。これはリニューアルの効果を把握できるとともに、スタッフのモチベーション維持にもつながるため、たいへん効果的です。

HCD 開発プロセスでは、はじめに「システムのゴールを特定」したあと、「利用状況の把握と明示」を行う。次にマーケティングの視点から「ユーザーと組織の要求事項」を明示する。さらにユーザビリティ視点を取り入れながら「設計による解決案」を作成し、各種評価によってシステムの問題点を抽出。最後に「要求事項に対する設計の評価」を行う。設計の評価後には、再び利用状況の把握に戻り、ゴールを目指して、以上のプロセスを繰り返すことが重要になる。要求事項に対する設計が妥当であると評価された場合、そのシステムは「特定のユーザー及び組織の要求事項を満足」できている状態だと言える。これは、ユーザーと組織の WIN-WIN の関係深化につながる。
HCD 開発プロセス図
(JIS Z8530:2000 における人間中心設計活動の相互依存性の図をベースに、三菱電機株式会社の解釈でわかりやすく加筆しています。)

ソシオメディア:
HCD プロセスを取り入れた初めてのリニューアルはいつ頃でしたか?

大矢さん:
2001年です。このときには、コーポレートのアイデンティティを明確にしたり、情報の一覧性を高めるといったユーザビリティを向上させる形でのリニューアルを行いました。その後も2年に一度のペースでリニューアルを行い、SEO 対策やウェブマーケティング機能、パーソナライズ機能などを随時取り入れていきました。2005年4月に行ったリニューアルでは、ブランドイメージとユーザビリティ、ウェブマーケティング機能の更なる向上と、アクセシビリティ対応を目標に掲げました。

「連続性の確保」が SimpleWeb 導入の決め手

ソシオメディア:
そこで SimpleWeb の検討を始められたというわけですね。導入に至った理由はなんでしょうか?

大矢さん:
最も大きな理由は、SimpleWeb がアクセシビリティの対応に「連続性」を持たせることができるという点です。この「連続性の確保」ということは、「ユニバーサルデザインの理念」における大事なポイントにもなっています。たとえば、駅のバリアフリーを1駅のみで実施しても大きな効果は期待できません。すべての駅のバリアが取り除けてはじめて、最低限のアクセシビリティを確保できるわけです。SimpleWeb は、一度導入してしまえば同一ドメイン内のすべてのコンテンツに対して、テキスト版ページを継続的に提供できます。このようにサイト全体で連続性を確保しながら導入できるという点が決め手になりました。
また SimpleWeb の導入前には、アクセシビリティ対応のために「テキスト版ページ」をスタッフが制作していましたが、オリジナルページの変更に伴うテキスト版ページの更新や、公開前の確認作業などに多大なコストと時間の消費を強いられていました。SimpleWeb の導入によってテキスト版ページの自動生成が可能になり、手間のかかる編集やコーディング、アップロードといった作業を一切無くすことができるという点も評価できました。
加えて、既存のアクセシビリティ対応ソリューションに比べて低コストで導入できるという点も魅力的でしたね。

サーバー版の導入と今後の展開

ソシオメディア:
2005年6月に、まず SimpleWeb ASP 版を導入されましたが、その後の展開についてはいかがですか?

大矢さん:
「連続性の確保」と「低コストで効率的」という点で、非常に満足できるソリューションだと感じました。また、既存のページに「テキスト版」というリンクを追加するだけ、という導入の手軽さも印象的でした。
その後、オリジナルサイトとテキスト版サイトとのドメイン名に一貫性を持たせるために、2005年9月に SimpleWeb サーバー版を導入しました。これによって、ユーザーはより安心してテキスト版サイトを利用できるようになったと考えています。
今後はユーザーの満足度を調査しながら、サイトと SimpleWeb の双方を改善していき、より高いアクセシビリティの実現を目指していきたいと思います。

ソシオメディア:
では最後に、コーポレートサイトの今後の目標についてお聞かせください。

大矢さん:
ウェブブランドイメージを強く訴求し、より魅力的なサイトを目指すために、「サイトの質の向上」を引き続き推し進めていく予定です。また、コンテンツの制作にあたっては今以上にアクセシビリティを意識していく必要があるとも考えており、2004年から JIS(JIS X8341-3:2004)をベースに策定した独自のアクセシビリティを含む制作ガイドラインをもとにして、サイトコンテンツのチェックなどにあたっています。
「最終的にはすべてのユーザーに対して使いやすく・わかりやすく・魅力あるサイトを構築する」―そんな「意識」を持って取り組んでいくことこそが重要だと考えています。

ソシオメディア:
ありがとうございました。

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