クラスアイコン

一覧操作(Manipulator)の画面でオブジェクト群を表示する際、それぞれの共通性を示すために、分類(クラス)ごとのアイコンを付与する。
理由:各オブジェクトの存在と独立性がアイコンとして明確に表現されると同時に、それぞれの性質を感覚的に把握できるようにするため。

図例
各行の先頭に表示されるクラスアイコン

効能

  • アイコンの利用は、GUI においてオブジェクトの存在を表現する基本的な手法。そのアイコン自体が、オブジェクトの種類や性質を体現していれば、ユーザーは現在の状況(今何が見えていて、次に何ができるか)を感覚的に理解できる。
  • 一覧やデスクトップなどにおいては、単にそれぞれのオブジェクトの独立性を表現されているだけでなく、共通性が示されているとよい。同じ性質を持つ(同じクラスに属する)オブジェクトを把握できれば、効率的な操作を組み立てる手がかりとなる。例えば、同じ種類のファイルをまとめて移動するなど。

用法

  • オブジェクト群を何らかのカテゴリーに分類できる場合(カテゴリーとして表現できるクラスがある場合)、その分類がユーザーの情報理解にとって意味のあるものであれば、カテゴリーごとに違うアイコンを用意し、画面上のオブジェクトに付与する。例えば、アドレス帳アプリケーションにおいては、各アドレスのカテゴリー属性として「個人」「グループ」「会社」といったものが考えられる。この3種類のアイコンを作り、一覧操作画面で、各アドレスにいずれかのアイコンを付与する。
  • 分類基準が複数ある場合(オブジェクトがカテゴリー的な属性を複数持っている場合)は、ユーザーがオブジェクトの種類を識別する上で最も意味があると思われるカテゴリー属性をひとつ決定し、そのアイコンを付与する。
  • 一覧操作の画面において、各オブジェクト/レコードに、分類ごとのアイコンを表示する。リストであれば、各行の先頭にアイコンを配置する。
  • 存在する分類の数(クラスの数)が少なく、リスト上で同じアイコンばかりが並んでしまってもよい。むしろ分類の数が多すぎると、共通のアイコンを持つ項目が少なくなり、クラスの識別として意味を成さなくなる。
  • クラスアイコンは、オブジェクトのマルチ表現を行う中で、一貫したものを用いる。

蘊蓄

アイコンには、クラスアイコンの他に、インスタンスアイコン(特定のインスタンスを表すもの)、機能アイコン(特定の機能やツールを表すもの)、プロパティアイコン(カテゴリー以外の属性を反映したアイコン)などがある。