直接操作

画面上のオブジェクトに対して、ユーザーがマウスなどの GID(グラフィック入力装置)を使って直接働きかけながら作業できるようにする。
理由:「対象物を掴んで動かす」といった現実世界における直接的な操作を模すことで、より自然な作業が可能になるため。

図例
ドラッグアンドドロップによる直接操作

効能

  • モードレスインタラクションを実現できる。
  • 画面上で目的のオブジェクトをポイントする(指し示す)ことで、必要な作業を実行できる。
  • コンピュータ上の世界が、身近で易しく、楽しいものに感じられる。

用法

  • ユーザーにとって操作対象となるオブジェクトを、アイコン、ウィンドウ、行、セル、グラフィック要素などの表現で画面上に表し、それを(マウスで)直接操作できるようにする。
  • ドラッグ&ドロップで、オブジェクト(ファイルや項目)を移動・コピーできるようにする。
  • クリックやダブルクリックで、目的物の開閉や名称変更ができるようにする。

注意書き

  • OSやデスクトップアプリケーションの振る舞いに準じていなければ、オブジェクトに対して、どのような直接操作が可能なのかを想定できない恐れがある。
  • ユーザーが「できそう」だと期待することは、できるようになっている必要があるが、逆に意図しない操作を防がなければ誤操作につながる。機能性の事前予測が難しいと考えられる場合は、ドラッグ&ドロップやダブルクリックなどの高度な操作方法で直接操作を実現し、ユーザーの明確な意思を伴わなければ実行できないようにしておく。

蘊蓄

ベン・シュナイダーマンは『ユーザー・インターフェースの設計』の中で、直接操作の実現方法として次の三点をあげている。

  • 操作対象及び動作の連続的な表示
  • 複雑な構文ではなく、物理的動作やボタンによる操作
  • 操作対象への影響が即座に見られる高速で逐次的かつ可逆的な操作