「【徹底解説】ソシオメディア・インターフェースガイドライン」セミナーレポート

2026年1月17日、18日、19日の3日間にわたって、ソシオメディアはオンラインセミナー「【徹底解説】ソシオメディア・インターフェースガイドライン」を開催しました。ソシオメディアではウェブサイト上で100項目のインターフェースのデザインガイドラインを公開しています。このガイドラインは公開以来、様々なところから参照されています。一方で、内容に興味を持っていただいた方からは、もっと良く理解したいという声が多くありました。
このオンラインセミナーではソシオメディア代表の上野がガイドラインを「モデル」「インタラクション」「プレゼンテーション」の3つの視点から、1日ずつ講義形式で解説していきました。
1日目「プレゼンテーション」

まずはガイドライン全体の構造の紹介し、その前提となっているソフトウェアデザインのレイヤーを解説。
1日目はその中の具象的なプレゼンテーションレイヤーを扱います。「シンプルにする」からスタートした解説では、情報伝達の効率性の観点を紹介し、アイコン作成の難易度、入力フォームの理論的効率性、近代デザインの流れなど具体例を交えながら、その考え方を示しました。
シグニファイア、アフォーダンスの解説では人と環境の関係性に言及し、マッピングではフィジカルな製品のデザイン例に加え、ソフトウェアのデザイン例も交えその重要性を語りました。続いてインターフェース上の要素の配置の考え方、わかりやすいテキスト表現、ソフトウェアデザインにおけるグラフィック、操作性や機能性を伝えるためのポイントが提示されました。
入力コントロールでの制限についての解説では、複数のコントロールを対比。それぞれの特徴を解説するなど具体的にデザインを考える際の手がかりも補足されました。そして、原則論のみならずレイアウトの論理性とレイアウトスペースとのトレードオフなど実際の制作経験に基づく観点を語りました。
初日から質疑応答ではデザインの前提とする基本的なユーザー像の持ち方や、提供者側の用語が用いられたウェブサイトの問題など様々な質問が寄せられました。
2日目「インタラクション」

2日目はビュー同士のつながり、ナビゲーション、データ構造、要件との関係など少し抽象度を上げたインタラクションレイヤーについてです。まずは「簡単にする」からスタート。簡単にするとはどういうことか、基本の考え方に加え意味との対応づけの重要性に言及。
続いてユーザーの主導権と制約について、具体例を参照しながら解説を行いました。そしてGUIのデザインを考える上で重要な直接操作。間接操作との比較をしながら解説しソフトウェアのデザインにおいて目指す方向を示しました。
また、様々なデザイン原則に通底する「モードレス」について解説。私たちが普段使っているGUIがモードレスという考え方とともにどのように発明されてきたか、ラリー・テスラーやアラン・ケイ、ダン・インガルスらの活動を取り上げました。そしてモードレスとモーダルについて道具の抽象度と意味性の観点から対比しました。
続いてUIからモードを取り除いていくための考え方として、アラン・クーパーらの知見や複数のソフトウェアのインタラクションを具体的に比較しながら解説をしていきました。その後、デザインの手がかりとなる法則や、GUIのコンポーネント性、システムの初期値をデザインすることの重要性を伝え、ユーザーに提示する情報空間の構造とそのナビゲーションに対する考え方を解説。そして、1つのソフトウェアのバージョンごとのデザインの変化を参照しながら、慣用的な操作の重要性を強調しました。
2日目も多く寄せられた質疑応答では、手続型業務のデザインに対する妥当な分割、解体のために参照できる考え方など、興味深い質問が寄せられました。
3日目「モデル」

最終日は抽象度の高いモデルレイヤーについて。既存のメンタルモデルを参照する場合と新規のモデルを提示することについての考え方を解説しました。続けてユーザーが期待する道具の在り方を提示。妥当性を高めるためのデータの持ち方や期待される帰属性を、入力コントロールのデザインを挙げながら説明しました。
そしてオブジェクト指向UIとタスク指向UIの解説からはじまり、ユーザーの目当てをいかにそこに在るようにデザインするかについて、プログラミングや哲学的な観点、GUIの歴史に言及しながら解説をしました。
後半ではユーザーイリュージョン。ソフトウェアのUIをそれ以前の機械化時代のUIと比較し変化した点を解説。さらに昨今の「言葉で指示するAIのデザイン」でも類似する課題があるとし、「仲介者としてのインターフェース」に陥らないようにするための重要な観点としてオブジェクト指向UIの特徴を解説しました。
そして最後は、人を取り巻く世界の意味をデザインすることについて、人と道具の相互発展性の重要性を語りました。
セミナー最終日の質疑応答。参加者からデザインを捉えなおすためのレファレンス、モードレスデザインやOOUIを提案し定着させる方法、チャット形式のUIに登場するオブジェクト、今後のデザイナーの役割、オブジェクトとなり得るものなど多岐に渡る質問が寄せられました。