記事「エントロピーとデザイン」 ÉKRITS / エクリ

2015年4月27日

デザイン/エクスペリエンス/アーキテクチャの〈思想〉と〈実践〉を散策するためのメディア『ÉKRITS / エクリ』に、弊社上野が「エントロピーとデザイン」と題して寄稿しました。

エントロピーとデザイン

宇宙はその一般的な傾向として、エントロピーの法則に従い、秩序から無秩序へ、構造から無構造に向かう。熱湯の入ったコップに氷を入れれば、やがて氷は溶けて全体が均一のぬるま湯になる。コップにぬるま湯を入れておいても、自然に熱湯と氷に分離するということはない。これは自明のことに思われるが、しかし、我々の身の回りを見渡せば、逆のことが起こっているのに気づく。無秩序であったところに秩序がもたらされ、無構造であったものが構造を持つようになる。その最たるものが我々自身の存在だ。混沌としていた宇宙に星が生まれ、生物が誕生し、人は文化を持ち、こうして様々な構造物を創造しつづけている。(本文より)