W3C/WAI「ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン 1.0」
オーディオやビジュアル・コンテンツを使う場合は、それと本質的に同じ機能や目的を果たす代替コンテンツも提供する。
イメージやムービー、サウンド、アプレットなどを直接利用できない人たちでも、ビジュアルやオーディオ・コンテンツと同等の代替コンテンツが用意されていれば、ページにアクセスできるようになる。代替コンテンツでは、ビジュアルやオーディオ・コンテンツと同じ機能や目的を伝達しなければならない。たとえば、目次にリンクする上向き矢印のイメージに対する代替テキストなら、「目次へ」となる。ビジュアル・コンテンツが複雑なチャートや広告、図形などを示す場合は、見た目についても表現すべきだし、教育目的で使われるオーディオ・コンテンツなら、サウンドそのものについても説明すべきだ。
このガイドラインでは、イメージやオーディオ、ビデオなどの非テキスト系コンテンツに対する代替テキストの提供が、いかに重要であるかを強く訴えている。代替テキストなら、さまざまな障害のあるユーザが異なるテクノロジーを利用している場合でも、それぞれに適した形式に変換されるので、コンテンツがアクセシブルになる。代替テキストの強みは、このキャパシティの大きさにある。テキストは、人工発声シンセサイザーや点字表示機で簡単に出力できるのはもちろん、コンピュータ画面や紙面にも、さまざまなサイズでビジュアル表示できる。目の見えない人や文章を読むのが困難な多くの人(知覚障害や学習障害、耳が聞こえないなどの障害を伴うことが多い)にとって、人工音声は重要だ。点字は、聴覚と視覚の両感覚器官に障害のある人、視覚に障害のある人にとって不可欠だ。また、ビジュアル表現されたテキストも、耳の聞こえない人だけでなく、大多数のユーザに恩恵をもたらすことになる。
テキストに対して、イメージやビデオ、オーディオといった非テキスト系代替コンテンツを提供することも、文字が読めない人や文章を読むのが困難な人にとって有益となる。ムービーやビジュアル・プレゼンテーションのなかには、身振りや動作、その他の視覚的な合図を説明する十分なオーディオ情報が付いていない場合がある。ビジュアル情報が音声で解説されていないと、ビジュアル・コンテンツを見ることができない人は、内容を理解することができない。
1.1 あらゆる非テキスト系要素には、代替テキストを提供する(alt属性やlongdesc属性を使用する、要素のコンテンツ内に代替テキストを置くなど)。非テキスト系要素には、次のようなものがある。イメージ、画像として表現されたテキスト(シンボルを含む)、イメージマップ領域、アニメーション(アニメーションGIFなど)、アプレット、プログラミング・オブジェクト、ASCIIアート、フレーム、スクリプト、個条書きリストの行頭に使用されるボタン、スペーサー、画像ボタン、サウンド(ユーザ・インタラクションの搭載・非搭載にかかわらず再生されるもの)、スタンドアローン・オーディオ・ファイル、ビデオのオーディオ・トラック、ビデオ。[優先度1]
HTMLにおける例:参照:チェックポイント9.1、チェックポイント13.10
チェックポイント1.1に関するテクニック:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS/#tech-text-equivalent
1.2 サーバ・サイドのイメージマップのアクティブ領域には、多様なテキストリンクを設置する。[優先度1]
参照:チェックポイント1.5、チェックポイント9.1
チェックポイント1.2に関するテクニック:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS/#tech-redundant-server-links
1.3 ユーザ・エージェントが、ビジュアル・トラックの代替テキストを自動的に音読できるようになるまで、マルチメディア・プレゼンテーションに使うビジュアル・トラックの重要な情報には、音声による記述も提供する。[優先度1]
チェックポイント1.4で説明しているが、音声記述とオーディオ・トラックは同期化すること。ビジュアル情報の代替テキストについての詳細は、チェックポイント1.1を参照。
チェックポイント1.3に関するテクニック:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS/#tech-auditory-descriptions
1.4 ムービーやアニメーションのように、時間の流れを伴うマルチメディア・プレゼンテーションには、代替形式(キャプション、ビジュアル・トラックの音声記述など)を同期化する。[優先度3]
チェックポイント1.4に関するテクニック:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS/#tech-synchronize-equivalents
1.5 ユーザ・エージェントが、クライアント・サイドのイメージマップに示されたリンクの代替テキストを正しく変換できるようになるまで、クライアント・サイドのイメージマップに示したリンク先と同じ内容のテキストリンクも提供する。[優先度3]
参照:チェックポイント1.2、チェックポイント9.1
チェックポイント1.5に関するテクニック:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS/#tech-redundant-client-links
注意:このドキュメントは、W3Cが勧告として公開している「Web Content Accessibility Guidelines 1.0」を株式会社アスキーが書籍「ウェブ・アクセシビリティ〜すべての人に優しいウェブ・デザイン」にて日本語訳したものです。正式な文書はあくまで英語版であり、この文書には翻訳上の間違いや不適切な表現が含まれている可能性がありますのでご注意ください。